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[バスケ] コービーの引退発表によせて

まだLakersがGreat Western Forumでプレイしていた頃、現地で観戦していた僕は、ハーフタイムにロッカールームまでの花道でコービーとハイタッチをした。試合は決していい展開ではなかったけれど、集中力の宿ったその目は19歳とは思えないくらい頼もしくスターパワーをもっていた。

Laker World
1996年のデビューから20シーズン目を迎えたLAレイカーズのコービー・ブライアントが自身が執筆した詩で今シーズン限りの引退を表明した。



親愛なるバスケットボールへと題されたこの詩では、心と魂は戦えても身体が戦えない、今シーズン限りだ、と引退の理由を説明。そして、ひたすら愛してきたバスケットボールに対して、これまでの日々の感謝がのべられている。

ブログなどで引退を表明することは珍しいことではないけれど、普通はファンやチームに対して引退を表明するのに対し、この詩は、スポーツそのものに対して、引退を表明している点が少し変わっている。


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“ザ・キッド”

コービー・ブライアントは、コービー・ビーン・ブライアントとかブラックマンバとかヴィーノとかいろいろニックネームはあったけど、レイカーズの元専属アナウンサー、故チック・ハーンが呼んでいた、ザ・キッドというニックネームがもっともしっくりくる。

バスケットボール小僧。まさに少年のような選手だった。

バスケが好きで好きでたまらない、イタリアで周りはみんなサッカーやってるのに一人でバスケを続けちゃう少年。

無謀な1オン1をしかけて3連続エアーボールをしてしまう少年。

チームが勝つために一人で81点とってしまう少年。

飽くなき向上心の塊。勝ちたい、強くなりたい、それだけをひたすらに考え続けている少年。

アキレス腱断裂しているのにフリースローを決めてしまうような不屈の魂。決してあきらめない少年。

だからこそ記者会見のすっきりした表情と晴れやかな言葉は意外な気もした。

引退することが悲しいかと聞かれて、悲しさはない、美しさがあるだけ、若い選手が入ってきて、古い選手たちが引退していくサイクルがあってそこに美しさがあるんだ、と答えた彼は次の人生を見据えているというコメントを何度かしていた。

負けず嫌いの彼が幼少期から続けてきたバスケットボールプレイヤーという道を離れて次の道に進むことは、彼が人生の次のステージで戦うということ。

そう考えるとこれが真面目すぎるくらい真面目なコービーらしい考え方かもしれない。

それに、彼のバスケットボールへの愛は引退で途切れるわけじゃない。

And we both know, no matter what I do next
I’ll always be that kid
With the rolled up socks
Garbage can in the corner
:05 seconds on the clock
Ball in my hands.
5 … 4 … 3 … 2 … 1

和訳:
それに僕らは知っている、次に何をするにしても
僕はずっとあのときの少年(”キッド”)のまま
まるめた靴下
隅っこにおかれたゴミ箱
試合時間残り5秒
ボールは僕の手に
5, 4, 3, 2, 1

Dear Basketball – Kobe Bryant on Player’s Tribune


バスケットボールをここまで美しく表現できるのも、彼がこのスポーツを愛してやまないからだろう。それは、引退しても変わらない。


伝説の最終章



今シーズンのコービーははっきり言って最悪の出来。とにかくシュートが全く入らない。

それでもコービーならなんとかしてくれるんじゃないかってどこかで期待させる。

ここ数シーズン、怪我に泣かされてきた選手に全盛期の姿を期待してしまうのは酷だし無理難題であるのはわかっていても。

現役生活を振り返って思い出深いシーンはと聞かれたコービーは、負けたチャンピオンシップシリーズ、それとそこにたどり着くまでの葛藤と答えた。葛藤や困難があるからこそ物語は美しくなるのだ、と。

思えば高卒ルーキーでデビューするも、ガーネットやレブロンのように最初からスタメンで活躍できたわけではない。

ルーキーシーズンはベンチを温めていたし、2年目こそ開花したけどベンチスタートには変わらなかった。

優勝するまでに時間もかかったし、シャックが去った後の暗黒期からまた優勝するまでにボストンに負けたりしている。5回の優勝という輝かしい記録と同じ又はそれ以上の数の困難や失敗に直面してきた選手だ。

しかし、それでもそんな困難をただひたすらの努力と追求心で勝利に変えてきた。

引退を宣言しても日々自分を追い込んでいくことに変わりはないよ、19年経っても変わらないまっすぐな目で僕らのヒーローはそう語った。

Kobe, you are the man, and the game will never be the same without you.

20年間ありがとう、ラストダンスを楽しみにしています。

きょうはここまで。

2015/12/01 No.1665


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  • わっと ( @WatOno )
    東京生まれ 南カリフォルニア育ち、神戸、伊豆を経て現在は東京在住。84年生まれ/輸入コーディネーター。

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