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[本] 芥川賞作家 柴崎友香の隠れた名作「エブリバディ・ラブス・サンシャイン」がすごく好きなんです

公開日: : 最終更新日:2015/07/27 アート, 読書

Eternal Sunshine of the Spotless Mind
わっとです、どーも。

何も無いけどなにかある、人々の日常を小説にする柴崎友香さんが四回目の候補にして、芥川賞受賞と聞き、一ファンとして喜んでます。

芥川賞に柴崎友香氏「春の庭」 直木賞は黒川博行氏「破門」  :日本経済新聞
柴崎氏は記者会見で「受賞はゴールではなく新しいスタート。」とコメント。


彼女の作品は、何も起こらず日々が淡々と流れていきます。

そこには、普通の人たちの息づかいがあって、普通に流れる時間の中で主人公がいろんなことを考えて、悩んで、気づいて少しずつ日常を過ごしていく感じがたまらなくグッときます。

そんな数々の日常を描いた作品の中で、僕が一番読み返している作品が短編の「エブリバディ・ラブス・サンシャイン」

「次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?」に併収されている作品です。

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ずっと寝ていた女子大生の話

この話は、失恋のショックに落ち込んで、何もする気がおきなくなった女子大生の話です。

それ以上でもそれ以下でもなく、悲劇的な失恋でもないし、そこから力強く主人公が立ち直るという話でもありません。

ただ、主人公が悩んで、悩んで、人の話をきいて、また悩む。どこにでもあるようなありきたりな普通の話です。

でも、その中にドラマが潜んでいる。何も起きないのに、何かがあるのです。


なんでもないのにグッとくる言葉

この作品には、読んでいると見過ごしてしまいそうな隠れたかっこいい言葉がいくつもあります。

「わたしのいるところから二メートル向こうのステージにいるスピリチュアルライズドの歌を歌う人は、青い光の下でギターを弾き、ときどき思い出したように何曲か歌った。」

エブリバディ・ラブズ・サンシャイン 柴崎友香


主人公が友人に誘われてライブにいったときの描写。

この「ときどき思い出したように」っていうのがグッとくる。ボーカルなんだから、歌ってて当然なのに、なぜかすごくしっくりくる表現。海外のバンドでたまにこういうボーカルいるよなぁって妙に感心した。


「わたし、お酒の中で、ここで飲むハーパーがいちばん好きやわ。世界一おいしいお酒とちゃうかと思う」

エブリバディ・ラブズ・サンシャイン 柴崎友香


この文章のおかげでハーパー飲むようになった。ハーパーっていうのは、IW HARPERっていうバーボン・ウィスキーのこと。

ハーパーの優しい味は幸せな気分に浸らせてくれる。


「二十五までは、寝ますよ。眠いです。だけど二十五過ぎたら大丈夫ですから」 エブリバディ・ラブス・サンシャイン 柴崎友香


主人公が先生に常に眠たいんですと相談したときに先生がいった衝撃の一言。僕自身、若い頃は眠たいときによくこの言葉を思い出してた。

今も少し眠いけど、あの頃ほどじゃない気もするなぁ。


「ここに来る前にね、ファミマに行ってセブンスター買おうと思ったらないって言われて、ここのローソンでも売り切れって言われたんだ。なんかロックを感じた」

エブリバディ・ラブス・サンシャイン 柴崎友香


そんな感じた方あるのかとおもうけど、仲間内でひとりだけいるよなーこういうセンスしている子って思ってしまった一言。

内田裕也かって感じもありつつ、でもグッとくる。かっこいい表現だった。

lawson
僕たちの生活の中にも、こういうかっこいい言葉が隠れていて、目の前を通りすぎていってるのかもしれません。そう考えると、そういった瞬間をとらえて、言葉にできる作者の力を感じますし、柴崎作品の大きな魅力だと思います。


日常こそが最も魅力的

ただ失恋した女の子が、その傷を引きずりながらもすこしずつ前向きになっていくだけの話にこれだけのドラマを感じさせてくれるこの作品。

日常というものには、見過ごされ勝ちな魅力があって、そこに気がつく人はこんなにも日々が色鮮やかにみえるということを教えてくれます。

古本屋などでも安価で手に入りますし、この物語だけなら短いので立ち読みだけでも読めてしまうかも。

おすすめです!

ちゃお!



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    東京生まれ 南カリフォルニア育ち、神戸、伊豆を経て現在は東京在住。84年生まれ/輸入コーディネーター。

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